【SENPAI相談室12】仏日英の3言語をバランスよく学ぶための時間の使い方やコツが知りたい
Q.12 3ヵ国語をバランスよく学ぶには?
僕はフランスに住んでいる中学3年生で、学校ではフランス語で勉強しています。日本語も毎日欠かさずに勉強していますが、英語ができるともっと視野が広がると思っています。
ただ、3ヵ国語をバランスよく勉強するにはどう時間を使えばいいのか、コツが知りたいです。また、現在たくさんのことを学べる時期だと思っていますが、世界中のプログラムをオンラインで学びやすくなっているのは僕にとってチャンスだと思っています。
将来はアメリカなどの大学の薬学部に留学したいと考えているので、アメリカをはじめとする海外の大学について教えてもらいたいです。
(フランス・中学3年生)
A.12 まずはひとつ、言語の土台をつくってみては
フランス語と日本語、英語と3ヵ国語を学ぼうという心意気、感服です! 中高時代はちょうど学校で文法や語彙を学ぶことができ、また人の吸収力や適応力もとても高い時期でもあるので、言語を学ぶ黄金期だと思います。
ただ、複数言語をバランスよく勉強するのは、とても難しいことです。現に、すべての言語においてネイティブを達成するのは難しいと論文 (Cenoz & Gorter, 2011) では指摘されています。
日常生活でも、学校でも、職場でも同様の種類の言語を等しく使えるかと言われたら、そうとは限らない場合が多いかと思います。そのため、どのような場面で使っていきたいのかということを考えながら、それに合うような語彙や言い回しを学んでいくのがいいのではないかなと思います。
また、複数言語を習得しようとする際に付きまとうのは、セミリンガルの危険性です。高校在学時に英語の先生に教わった概念なのですが、すべての言語で年齢相応の国語力(ちなみにCALPという概念があります)に達していない状況を指します。たとえ日常会話ができたとしても、CALP力が足りていない場合は考え方が浅くなってしまいます。
この場合、マルチリンガルのモノリンガルに対する優位性はいまひとつとなってしまいます。そのため、個人的におすすめするのは、どれか1言語を自身の軸に据えるという方法です。ある言語の語彙や思考力の土台があったうえで、他言語を学ぶのがいいのではないかなと思います。
ちなみに、複数の他言語を学ぶ際に自身が気をつけていた点としては、以下の3点です。
- 文法や基本の語彙をおさえる
- ネイティブスピーカーの言い回しを知る
- 積極的にアウトプット(スピーキングやライティング)をつくる
1は学校で学ぶ内容に近いですが、1・2は自ら方法を見つけて時間を確保する必要があります。わたしや周囲の友人が取り組んでいた方法を簡単に下記に紹介しますね。
- 洋楽を口ずさむ
- 洋画やTED Talkを定期的に視聴する
- 教科書のCDをシャドーイング(CDの音声を聞きながら、それをマネてすぐ後に復唱)する
- 英語を使うサマープログラムや課外活動に積極的に参加する
- 学校のALTと日常的に会話する
言語はあくまでもコミュニケーションのツールです。学ぶことを目的とするというより、使うことを目的とすると、自ずとご自身に合う勉強スタイルを見つけることができるのではないでしょうか。
また、海外の教育コンテンツも今やオンラインで気軽にアクセスできるようになりました。このSENPAIプログラムでも積極的にそういったコンテンツを取り入れ、メンティーのみなさんの英語力と思考力を大いに伸ばせるような内容となっています!
(アメリカ・大学1年生)
※「SENPAIプログラム」は、国内外のトップ大学生とオンライン×マンツーマン形式で、英語力と思考力を養うリベラルアーツ型中高生向け講座です。このSENPAI相談室は、そのSENPAIたちからのアドバイスを掲載しています
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